前回の記事(うろこ雲昼の三日月隠したり - 飛ぶコタツ)に掲載した「チェリストの指踊るごと秋のホールで」という句に続けて、何句か演奏会を題材にした句を詠みました。
今回の記事には、その演奏会繋がりの句を4句載せています。
いつもながらのことですが、今回は特に自信ありません。アドバイスいただければうれしいです。
これまでは、主に植物や虫や風景を題材にして俳句を詠んできました(葉っぱものがひょっとしたら一番多いかもしれません…)が、演奏会はとっても難しかったです。
チェロの句も何度も直しました。もっともっと直したいのですが、これ以上どうすればいいのか分かりません。
演奏会の句を詠んでみて一番分からなかったのが、季語をどうやって詠みこめばいいのかということでした。
いろいろ調べましたが、文化祭や運動会は季語なのですが、音楽会や演奏会、発表会、学芸会などは季語ではないようなのです。
演奏会という言葉が季語だったら、もう少し詠みやすかったかもしれないのですが(言い訳です)。
ちなみに、文化祭、運動会はどちらも秋の季語です。
けれど、最近では行事の見直しや9月10月の暑さ対策(熱中症対策)などの意味もあって、5月に運動会が行われる学校は少なくないようです。
季語の季節が変わるなんてことはないんでしょうか、、、
ティンパニの轟き秋愁破りたり
演奏会で一番印象に残ったのが、ティンパニでした。
堂々たる響きがとってもかっこいい。
でも、小心者のわたしは、これだけの轟音が、もしタイミングを間違ったりしたらえらいことになるなぁとドキドキしながらティンパニ奏者の方の動きを見ていました。
わたしの秋愁はこの程度のものです、、、
ティンパニの轟き秋愁破りたり
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2021年10月18日
遠野山人
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タクト振る背弾む秋のヴィヴァルディ
客席に座る何百何千という人の視線に背を向ける。
これって途轍もなく勇気がいることだと思います。
バイオリンやチェロパートの方に向いてタクトを振るとき、その人の横顔が見えます。
けれど、演奏中のほとんどの間わたしたち聴衆が見るのは、タクトを一心に降るその人の背中だけです。
弾む背中、踊る背中、静かに揺れる背中。それだけを見ています。
演奏が終わって初めて、その人の顔を見るのです。
タクト振る背弾む『秋』ヴィヴァルディ
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2021年10月19日
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秋の波頭揺れるごとビオロンの弓の先
字数合わせでバイオリンを縮めました。
けれど、ビオロンという言葉の響きは独特です。
バイオリンと呼ぶよりも、圧倒的に心の奥に届く気がします。
バイオリン奏者の方々が動かす弓の動きはシンクロしています。
早いリズムでは素早く弓の先は上下し、ゆっくりしたリズムではゆったりと弓の先は上下します。
その動きは波のたゆたいのように思えました。
秋の波頭揺れるごとビオロンの弓の先
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2021年10月20日
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黄金色に向かひて走る目眩むとも
演奏会からの帰路、夕日に向かって車を走らせています。
眩しくて眩しくて目を開けていられないほどです。
けれど、心は満たされています。
黄金色の向こうにきっと安寧が待っているはずです。
黄金色に向かひて走る目眩むとも
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2021年10月21日
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秋探す子らの声公園笑ふ
公園に出かけて秋を探します。秋探しという学習です。
コオロギやバッタや名前も知らない虫たちがいます。誰が一番に捕まえるでしょう。
桜の葉っぱが色づき始めています。落ち葉も見つけました。
下草は少し乾いた手触りがして良い匂いです。
見上げると葉っぱの向こうに青空が広がっています。うろこ雲が流れていきます。
子供たちの歓声が響き渡り、公園はとってもうれしそうです。
秋探し子らの声公園笑ふ
— 山猫🐾 (@keystoneforest) 2021年10月22日
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もし、お心に留まった句がおありでしたら、コメントいただければ幸いです。感想をいただくことで、たくさんの気付きを得ることができます。
また、いただいたコメントをブログ中で紹介させていただくことがあります。どうぞご了承くださいますようお願いします。
① ティンパニの轟き秋愁破りたり
② タクト振る背弾む秋のヴィヴァルディ
③ 秋の波頭揺れるごとビオロンの弓の先
④ 黄金色に向かひて走る目眩むとも
⑤ 秋探す子らの声公園笑ふ
以下、大変手前みそで恐縮ですが、、、前回の記事うろこ雲昼の三日月隠したり - 飛ぶコタツにいただいたコメントから、良かったよと言っていただいたコメントと句を紹介させていただきます。
⑤ うろこ雲昼の三日月隠したり
うろこ雲昼の三日月隠したりが最近見た景色と近いので好きです。見たのは三日月じゃなくて半月ですが。
「うろこ雲昼の三日月隠したり」が一番好きです。心境は述べられてなくて景色の表現だけなのが、返って奥行きを生み出しているように思いました。
「うろこ雲昼の三日月隠したり」昼の月はふとした感じで目に入ってきます。その時の淡い月と、明るい空を見た時の小さな感動を覚えます。
happy-ok3(id:happy-ok3)さん、このはずく(id:mkonohazuku)さん、チャーコ(id:harienikki)さん、漆うしる(id:UrushiUshiru)さん、くにん(id:kuninn)さん、ururundo(id:URURUNDO)さん、そしてこのほかにもコメントをくださったみなさま、ありがとうございました。
山人(sanjin)👣@飛ぶコタツ